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環境に優しい葬送方法で地球に還る、サステナブルな「終活」

SOCIAL | 2022.04.19

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環境に優しい葬送方法で地球に還る、サステナブルな「終活」

広がるサステナブルな「終活」

「終活」という言葉があるように、人生の最期を迎えるにあたり、身の回りの整理や相続の計画、葬儀や墓の手配など、さまざまな準備を行う人が増えている。

さらに近年では、サステナブルな観点からの「終活」も広がりを見せているという。
死後も環境への配慮を-自然に還る死装束」や「死後は地球の栄養分に-100%キノコ製の棺桶」で紹介したように、死後も環境に配慮したいと考える人が増えてきているのだ。

そして今回紹介するのは、米・ワシントン州でトレンドになっている、環境に優しい葬送方法。
それは火葬でも納棺土葬でもない新しい方法だというが、一体どのようなものなのだろう。

遺体をコンポスト化する葬送方法「テラメーション」

それは「テラメーション」と呼ばれ、遺体をコンポスト化(堆肥化)するという方法だ。

微生物の働きで遺体を土に還すというが、その仕組みは至ってシンプル。
アルファルファ(マメ科の植物)や、おがくずなどを混ぜた有機物と遺体を密封容器に入れ、蓋を閉めるだけ。燃料などは必要ない。
有機物が自然に温まることで体内の微生物の働きが活発になり、遺体は1ヶ月ほどかけて少しずつ土に還っていくのだという。その後しばらく寝かせ、できあがった土は遺族に返される。

大切な土は、親族や友人たちに分けてもいいし、庭にまいて花や樹木を育ててもいい。

従来の火葬では1回で約115リットルの燃料が使われ、排出される二酸化炭素は245キロと推定されている。また、一般的な納棺土葬は場所を取り、遺体の防腐処理に使用される有害物質による土壌汚染・水質汚染も指摘されている。

テラメーションはこの問題に対し、大切な人を繊細かつ持続可能な方法で地球に還すという解決策を提供するものと言えるだろう。

人生の最期の旅路に「テラメーション」を選択する人々

火葬や土葬よりはるかに地球に優しいこの葬送方法は、人生の最期の旅路をエコに過ごしたいと考える人々に選ばれているという。

36歳の息子を癌で亡くした母Cindy Armstrong氏も、息子の遺体をテラメーションで葬送したそうだ。
「彼は火葬の考えがあまり好きではありませんでした。だから、亡くなる前によく調べ、テラメーションが自分の望むことだと決めたのです。彼はただ、自然にお返しをしたかったのです」と、彼女は述べる。

従来の火葬では「灰」を生み出すが、テラメーションは「土」を生み出し、その土は庭や畑、森林にまくことで地球の栄養分になることもできる。

この葬送方法は現在、米コロラド州、オレゴン州、ワシントン州などで合法化されているが、死後土に還りたいと考える人が増えていることから、今後ますます広がっていくだろう。


Source :Human composting: How to stay green after you hit the grave

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TEXT:
倉若太一 ( Instagram )

PLUGO JOURNALニュースライター。企業・利益中心の開発はいかがなものかと疑問を持ち始めました。いつまでもあると思うな親・金・資源。

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