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廃棄野菜を貴重なエサに。人々の善意が食品ロスも減らす

FOOD | 2022.02.09

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廃棄野菜を貴重なエサに。人々の善意が食品ロスも減らす

2つの社会問題

日本を含む先進国を中心に、まだ食べられる食料が大量に廃棄されている「食品ロス問題」について耳にしたことがあるだろう。

では、コロナ禍を背景にした「ペット飼育放棄問題」についてはどうだろう。
長引く自粛生活の中でペットに癒しを求めた人々が「こんなに大変だと思わなかった」などの理由でペットを廃棄する数が増えているのだという。

「食品ロス問題」と「ペット飼育放棄問題」。一見すると無関係のようだが、ある1人の女性の行動が、その両方の解決に貢献している。

モルモットと大量の廃棄野菜たち

イギリスのシリントンに、捨てられたモルモットの保護施設を運営している1人の女性がいる。

彼女は息子のために2匹のモルモットを飼い始めたことをきっかけに、SNSなどで捨てられそうなモルモットたちを見つけては引き取り、保護するようになったという。動物好きな彼女にとって、動物が虐待されたり遺棄されることは耐えられない。そんな思いから始めたことだったが、今では28匹ものモルモットを保護している。

彼女はモルモットの保護に情熱を注いできたが、モルモットの数が増えるほどエサ代は嵩み、頭を悩ませていた。
そこで、SNSでエサの寄付を募ったのだという。
「野菜の皮や、少し傷んでいる食料があれば、モルモットのエサとして寄付してくれませんか?」

するとあっという間に予想を上回る量の野菜や果物が届き、今ではエサに困らなくなったのだそうだ。

小さな行動が大きな一歩に

この女性の行動は、世界から見るととても小さなことだと思われるかもしれない。

しかし、誰も手を差し伸べなければ、そのまま捨てられていたかもしれないモルモットと大量の野菜たち。これらが多くの人の少しの善意と行動により救われたのだ。

最近では、廃棄処分対象になった食品のみを取り扱うスーパーマーケットや、廃棄予定の食品を活用したレストランが開かれるなど、他にも食品ロス削減に向けた様々な動きが広がってきているという。

また、欧米はもとより日本においても2022年6月から動物販売業者に犬猫へのマイクロチップの装着が義務付けられることになり、それは飼い主の身勝手な行動への抑止力となることが期待されている。

食品ロスと動物遺棄の問題解決には、個人、企業、自治体など、様々な方面からの協力が欠かせない。
まずは、食品を購入し過ぎないことや、今まで廃棄していたものについて活用する道を考えてみること、飼っている動物を最後まで大切にすること。私たち一人ひとりが身近なところから意識し行動する事が、その大きな一歩になるだろう。

 


SOURCE: Guinea pig rescuer in Shillington ‘overwhelmed’ by food offers – BBC News

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TEXT:
俵谷千尋 ( facebook / Twitter / Instagram )

PLUGO JOURNALニュースライター。いろいろな国の文化の違いや食事など知ることが大好きです。海外渡航歴27ヵ国。人生で100ヵ国達成が目標です!

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