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”太陽”と”人”の力で発電する環境に優しいパーティー

ENERGY | 2022.01.31

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”太陽”と”人”の力で発電する環境に優しいパーティー

1997年にフジロックが開催されて以来、日本でも多様な音楽を楽しめるイベントが増えている。今はコロナ渦で開催が難しくなっているが、野外での圧倒的な解放感の中、音楽とビールを楽しむ心地良さは格別だろう。

一方で、このような音楽フェスなどでは大量の電力が消費されていることをご存じだろうか。

巨大なスピーカーやDJミキサーなど様々な音響機材、それに音楽に合わせたライティングも必要だ。
たとえば、ある大型音楽フェスでは5日間で3万MWもの電力が消費されていて、これは、一つの都市全体が5日間で消費するのに匹敵する程の電力量だとも言われている。いかに多くの電力が消費されているか、想像できるだろう。

これを、再生可能エネルギーで賄うことはできないだろうか?
環境への意識が高まっている近年はこのような試みも徐々に増えてきているが、なんと20年以上前に考えた企業があるという。

それは、フランスのSolarSoundSystem社。
1999年、当時はまだ二酸化炭素排出量に対する人々の意識も低い中、同社は「移動式ソーラーレイブシステム」なるものを開発したのだ。

使われているのは、ソーラーパネルと自転車発電機。

仕組みは簡単で、まず、DJブースにソーラーパネルを搭載し、日中は太陽光でエネルギーを生成しバッテリーを充電する。そこに自転車発電機を接続し、夜になるとパーティーの参加者(レイバー)が自ら自転車を漕ぐことでエネルギーを生成するのだ。

こうして生成されたエネルギーは、様々な機材から照明まで、パーティーに必要なだけの電力を賄うことができ、レイバーは自ら生み出した電力によってもたらされる音楽に合わせて踊る。なんとも不思議な光景である。
音質も問題なく、このシステム1台で500人規模のパーティーまで対応可能だという。

快晴の日中は、無制限に音楽を流してパーティーを続けることができ、夜はレイバーが交代で自転車を漕ぐことでパーティーを続けることができる。パーティーが終わるのは、レイバーが力尽きた時だ。

 

 

“太陽”と”人”の力で成り立つ、環境に優しいパーティー。
レイバーは、自然の恵みに感謝すると共に、自ら自転車を漕ぐことで再生可能エネルギーについても身をもって理解することができるだろう。

このシステムを使ったパーティーは、既にフランス、ドイツ、スペイン、香港等、世界10ヶ国以上で開催されており、多数の企業や団体からのアプローチもあるという。

「これは、自然と文化に貢献するシステムです。地球の資源を搾取するのではなく、”自然”と”人”が発するエネルギーで稼働するのです。新しい文化を作っているとさえ思います」と創設者のCedric Carles氏は述べている。


 

Source :Solar-powered raves are on the rise in Europe as a green way to party

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TEXT:
倉若太一 ( Instagram )

PLUGO JOURNALニュースライター。企業・利益中心の開発はいかがなものかと疑問を持ち始めました。いつまでもあると思うな親・金・資源。

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