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自宅の裏庭を「都市型庭園」に変えた、タトゥーアーティスト

FOOD | 2022.06.02

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自宅の裏庭を「都市型庭園」に変えた、タトゥーアーティスト

都市部の限られたスペースを活用する取組み

世界では、環境に配慮したさまざまな開発や取組みが行われている。

スペースが限られた都市部では難しいことも多いが、「自動車をパークレットに改造。動く憩いの場を作った男」や「世界の食糧危機とフードデザートを解決する、モジュール式垂直農園」では、その限られたスペースを活用したユニークな取組みが行われていた。

今回は、とあるタトゥーアーティストがロンドンの都市部で取り組む、草の根活動について紹介しよう。

自宅の裏庭を「都市型庭園」に

子どもの頃からタトゥーとガーデニングが大好きだったAlessandro Vitale氏。
彼は約7年前、イタリアのベニス郊外からロンドン都市部の小さなアパートに引っ越してきた時、自然とのつながりが失われてしまったと感じたのをきっかけに、バルコニーに鉢植えを置き唐辛子の栽培を始めたのだという。

彼は素人だったが、自分にその才能があると分かり、ますますガーデニングに没頭していった。そして、より日常を忘れて自然を感じられるような場所を作りたいと思うようになったという。

そしてついに、庭付きの一軒家に引っ越し、自宅の裏庭を「都市型庭園(アーバンガーデン)」に生まれ変わらせたのだ。

「都会の中に自分のオアシスを作りたかったんだ。そこに行けば、自然の中に身を置いているような、現実や灰色のロンドンから切り離されて完全に没入しているような感覚になるんだ」と、彼は説明している。

タトゥーアーティスト兼YouTuberとして活動

Alessandro氏は、幼少期に祖父から教わったことをヒントにしているという。祖父はかつて、土が生きていることや、化学薬品を使わずに自然と協力する方法について教えてくれた。
彼の庭はわずか8×5メートルのスペースだが、垂直栽培を利用して、今では食料の生産量を最大化することに成功。二人分の果物や野菜は、ほとんど全てこの庭で栽培したもので賄っているという。

彼はタトゥーアーティストとして働きながら、庭で果物や野菜を栽培する様子をYouTubeチャンネルなどで配信するようにもなった。また、自身で育てた唐辛子の種の販売も行っており、ソーシャルメディア上では「Spicy Moustache(スパイシー・ムスタッシュ/辛い口ひげ)」というニックネームで知られている。

「僕のガールフレンドが、僕にキスするたびに口ひげに唐辛子が入っていると文句を言って、彼女は僕のことをSpicy Moustacheと呼ぶようになったんだ」

たった1つの植木鉢からでも始められるガーデニング

彼は「自分が食べるものを育てることで、信じられないほどの満足感が得られる」という。
また、庭の土は空気中の炭素を吸収してくれるので、都市部の二酸化炭素排出量を減らすことができる上、空気がきれいになり、住民の健康にもつながる。さらに、買い物の機会が減るので使い捨て包装の量も減らすことができるのだという。

彼は、ガーデニングの素晴らしさについて伝え、食料の自給自足と、未来の世代のために環境を保護することの重要性を伝え続けたいと願っている。

誰もが手の込んだ温室や何ヘクタールもの土地を持つ必要はなく、たった1つの植木鉢からでも始められることを彼は教えてくれた。


Source :Meet the Italian tattoo artist who turned his London backyard into a thriving urban garden

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TEXT:
倉若太一 ( Instagram )

PLUGO JOURNALニュースライター。企業・利益中心の開発はいかがなものかと疑問を持ち始めました。いつまでもあると思うな親・金・資源。

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