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車の「排気ガス」を電気に換える日本発のハイブリッド技術

先日の記事では、日本の新車販売台数に対するEV・PHVの割合が低いという統計を示したが、実はその代わりに日本では「ハイブリッド車」がよく売れている。

ハイブリッド車とは、一次的な動力としてガソリンや軽油(ディーゼル)を必要としながらも、走行の過程で発電し内部バッテリーの容量が十分であればEVとしても走れるというタイプの車のことだ。
世界的なヒット車でもある「プリウス」がその代表格と言えるだろう。

ハイブリッド車の代表的な発電方法は?

現在、ハイブリッド車が発電する仕組みは主に「回生ブレーキ」という技術が使われている。

単純に言えば、通常のEV走行時に「電力でモーターを回す」のとは逆に「モーターを回して電力を得る」という方法だ。「回し車による発電」が車のなかで行われていると考えるとわかりやすいだろう。

たとえば、下り坂であれば重力によって車が「転がり落ちて」いくので、その力を利用してモーターを回し発電している。他にも、平地でアクセルを離して慣性で車が進んでいる状態のときにも同じように発電できる。

いま世の中にあるハイブリッド車のほぼ全てがこの方法で発電し、内部バッテリーに電気を蓄えている。しかし、この度、日本のモーター製造メーカー「ヤマハ」が新たな発電方法を開発した。

排気ガスの「熱」を電力に

それは、排気ガスの「熱」を電力に換える方法だ。

自動車の排気ガスはマフラーから排出される時点では十分に冷やされているものの、エンジンで排気された時点では最高で800℃ほどにもなっている。この熱を利用しようという試みである。

仕組みは説明してみれば単純で、排気管の途中に排熱発電ユニットを搭載し、従来の回生ブレーキと同様に内部バッテリーに充電するというものだ。

市場環境・インフラ環境に合った方法を

いま、自動車業界はもちろん世界的に脱炭素社会の実現に向けた努力を続けている。その方法として注目されているのが「完全ゼロ・エミッション」が実現可能なEVだ。

しかし、日本のように成熟都市が多く充電インフラの整備がなかなか進まない市場の場合、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車(PHV)も一つの優れた選択肢として捉えてもいいのかもしれない。

市場に合った方法で効率化を求めていく努力はこれからも各所で続いていくだろう。


SOURCE ; 熱電発電による自動車のCO2排出量削減を実証

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TEXT:
塚岡雄太 ( Twitter / Instagram / Website )

PLUGO JOURNAL編集デスク。趣味はサイクリングと読書で、どこにでも自転車で現れるのでよく人を驚かせる。デジタルガジェットが好きで、IoTを活用したサステナブルな活動に興味を持っている。

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