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自転車をもっと身近に。Bike kitchen という新しい試み

SOCIAL | 2022.03.09

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自転車をもっと身近に。Bike kitchen という新しい試み

急増する自転車ユーザーたち

ここ数年、自転車に乗る機会が増えた人も多いのではないだろうか。
日本の国土交通省が開催した有識者会議によると、コロナ禍を機に電車通勤から自転車通勤に変えた人が急増しているという。都内の自転車通勤者のうち、4人に1人がコロナ禍以降に自転車に切り替えたとのアンケート結果もある。

しかしいざ自転車に乗ってみると、思わぬ故障に遭遇したり定期的なメンテナンスが必要だったりすることも…。
特に自転車に乗り慣れていない人は不安に思うことが多いだろう。

自転車ライフをサポートする「Bike kitchen」

そんな中、欧米や南米など既に世界中で展開されている「Bike kitchen」の取組みが注目を集めている。
その多くは非営利団体等により運営され、快適な自転車ライフを送れるようさまざまなサポートを行っているという。

 

Bike kitchenの最も特徴的な活動は、自己修理やメンテナンスのアドバイスをしてくれること。
自転車に詳しいスタッフが、その手順を実践的に分かりやすくレクチャーしてくれるのだ。適切にメンテナンスを行うことで自転車や部品の寿命は延び、快適な自転車ライフを送れるだけでなく新たな消費も抑えることができる。

また、基本的にそのほとんどがボランティアで行われているが、工房によってはそのボランティア時間を積み重ね、自転車の所有権に換えることもできるという。工房のスタッフにとっても魅力的なプログラムになっているのも、大きな特徴だ。

他にも、自転車の部品や工具を無償または良心的な価格で提供したり、古い自転車を必要な人に無料で提供している。
部品や工具はほとんどが中古品だが、それを再利用できるようメンテナンスを施した上で提供。また、自転車は捨てられていたものや寄付されたものを改修して蘇らせているのだという。

 

Bike kitchenは、ライダーがいつでも気軽に立ち寄れるコミュニティとして、どのような人も受け入れ、楽しく調和した集まりになることを目指している。そこに賛同し、もっと安全で楽しい自転車社会になることを願う人たちが集まって善意で運営しているのだ。

自転車とともにより良い生活を

自転車文化普及には、自転車専用レーンや駐輪場の整備などインフラの充実も大切だが、ライダー自身が積極的に簡単な修理やメンテナンスを行うことができるようサポートする、Bike kitchenのような草の根運動もとても大切だろう。
Bike kitchenは自転車文化の醸成に貢献すると共に、部品や自転車を再利用することで環境保護にも貢献している。

自転車に乗る人が増えると、環境にも優しい。適度な運動と気分転換は、心身の健康にも効果的だ。

思わぬきっかけで自転車に乗るようになった人も、以前から自転車に乗っている人も。
自転車についてもっと知ろうとすることが、結果的に二酸化炭素排出量削減や暮らしやすさにつながるかもしれない。


SOURCE: Bike kitchens: the community-run repair workshops that help build a culture of cycling

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TEXT:
俵谷千尋 ( facebook / Twitter / Instagram )

PLUGO JOURNALニュースライター。いろいろな国の文化の違いや食事など知ることが大好きです。海外渡航歴27ヵ国。人生で100ヵ国達成が目標です!

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