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地球に還る「ある素材」のカップで、おいしいレモネードを

年間300万トンもの廃プラが発生しているカナダ

当メディアでも「海を汚さず美を彩る、自然に還る植物由来のラメ」や「サステナブルな社会でタトゥー業界が進む道」で紹介してきたように、世界中で廃プラ解消に向けた取組みが進んでいる。

近年は一部の使い捨てプラスチック製品の流通を禁止する国も出てくるなど、その取組みはますます加速しているが、カナダでは年間約150億枚のレジ袋、1日約5,700万本のストローが使われており、約300万トンもの廃プラが発生しているという。そして、そのリサイクル率は9%に過ぎないのだそうだ。

そんな同国において、なんと約10年も前から廃プラ削減の取組みを進めてきたレモネード屋を紹介しよう。

 

10年も前から、廃プラ問題と向き合ってきたレモネード屋

カナダ南部の街、カルガリー近郊にある「Family Squeezed Lemonade」は、注文すると目の前でレモンを絞ってレモネードを作ってくれる人気の店だが、店を開くにあたって廃プラ問題を無視することはできなかったと語る。

「レモネード1杯を売ると、使用したプラスチック容器はどこかの埋立地に埋め立てられ、分解されるまで何十年も残ってしまう。店を開く時、この問題は非常にネックになりました」

そこでこの店では、プラスチック容器を使わずに済む方法を模索し、容器やストローなど全てをトウモロコシ素材のものにしたのだ。
100%トウモロコシで作られた製品は生分解性で土に埋めると約90日で完全に土壌に分解されるため、プラスチックよりはるかに環境に優しい。

日本では2020年7月からレジ袋有料化が始まったのを機に、ストローなどのプラスチック製品の使用を控える取組みが進み、これらの代替素材にも関心が寄せられるようになってきたが、なんと彼らは10年も前に着目していたということになる。

「レモンの搾りかすだけでなく、私たちが出すものは全て堆肥化しているのです」
と語るこの店は、搾りたてのおいしいレモネードを提供しつつ、廃プラを出さないことで二酸化炭素排出量削減にも貢献してきたといえるだろう。

飲み終わった後、その容器やストローがどうなるのか。
購入する側も意識を向けることで、プラスチックの代替素材の開発や利用が今後ますます加速するのではないだろうか。

カナダは2022年後半にも、使い捨てプラスチックの生産・輸入・販売を禁止へ

2021年12月にカナダ政府は、特定の使い捨てプラスチックの生産・輸入・販売を禁止する規制案を公表した。今後寄せられた意見を踏まえて最終決定し、早ければ2022年後半にも施行する意向だという。

今回の規制案では、使い捨てプラスチック6品目(レジ袋、カトラリー、食品サービス容器、ストロー等)を禁止措置の対象とし、障害者や患者用のストローは規制から除外。最終的な決定から施行まで1年間の移行期間を設ける予定だが、同規制が施行されると、10年間で23,000トン以上のプラスチック(ゴミ袋100万枚に相当)の環境流出を防げると政府は推定している。


SOURCE: Lemonade stands at Whoop-Up Days pioneers in environmental sustainability – Lethbridge | Globalnews.ca

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TEXT:
俵谷千尋 ( facebook / Twitter / Instagram )

PLUGO JOURNALニュースライター。いろいろな国の文化の違いや食事など知ることが大好きです。海外渡航歴27ヵ国。人生で100ヵ国達成が目標です!

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